過去は変えられる

最近の私のテーマは、どうやら「過去」みたいです。

どうも、このごろ「過去」にまつわる物事が連鎖して起こる。

 

前にもちょっと書いたけど、最近ライブがきっかけで地元の友達と再会することが多い。

それこそ中学校卒業以来だから、１２年ぶり。干支一周。

で、いろいろ話をするんだけど、すると意外な事実に直面する。

 

記憶は勝手に形を変える。

 

例えば、私はほんとに思春期の自分が好きじゃなくて、

一刻も早く自分の今いる場所、町、家から飛び出したかった。

私の人生の中の、いわゆる暗い部分だと今でも思っている。

毎日苦しかった、と記憶している。

 

けど、あの頃の友人たちと話すと

意外と楽しい思い出がたくさん出てきて、

私が思っている過去とはぜんぜん違う顔を見せる。

例えば、ずっと嫌われてると思っていた子に、「比較的仲いいほう」だと思われてたと知る。衝撃的。あの頃の私に言ってやりたい。

 

友達のひとりがこう言ってくれた。

「嫌な思い出が印象深いだけだよ。

楽しかったこと忘れちゃってるんだよ」

そうなのかもしれない。

嫌な思い出って強烈だから、根深く残っちゃう。（というか私が執念深いのだ）

 

あのころの時間、毎日はみんなで共有していたものなのに、

時間が経つと、こうやってぜんぜん違う形で、それぞれの中に鎮座している。

いや、きっと当時から、きっと全然違う見方で、同じものを見ていたんだ。

 

思うんだけど、たぶん、過去は変えることができる。

 

もちろん過去には戻れないけど、

すべて取り返しはつかないけれど、

でも、なんていうのかな

「過去の形」みたいのものは、絶対的ではない。

 

記憶なんてすごくあいまいで、自分勝手で、

みんなそれぞれ全然ちがう記憶を持っている。

 

でもだれかとその記憶を分かち合ったとき、

だれかの記憶に触れた時、

確実に私の中の「過去の形」は変わった。

起こったことは何一つ変えることができないけど、

だけど「形」は変わった。

それは私にとって、すごく大切でうれしいことだった。

 

最近、誰かが言ってたことなのですが（何で聞いたか忘れちゃった…）

私たち人間って、

過去から未来へ、一本の線がすーっとのびていて

その直線の上を歩いている。それが時間というもの。

と理解している。

というか、そのようにしないと、時間という概念が理解できない。

 

だけどほんとは、一本の直線じゃないのかもしれない。

ほんとは、そんな具体化できる形ではなくて、

どちらかというとアメーバみたいな感じで、

過去も未来も今も、それぞれに影響し合い、変わっていくものなんじゃないかな？

 

もちろん過去には戻れないんだけど、

でも、過去も変わっているんだよ、今こうしている間にも…

ああ、うまく言えないんだけど

過去は変わる。

そして未来も変わる。

 

そんな気がしました。

 

 

余談をつけたしますが、私的にちょっと衝撃だったことがもうひとつ。

自分は大人の女性になったし、

もちろんまだまだひよっこではあるが、

あのころの暗黒時代に比べたら、人間的にも成長してずいぶん変わった！！

と、勝手に自負してるんですけど、

会う人会う人、

「あの頃からあんまり変わってないね」

と言われる。

小学校からずっと仲良くしてる子にも、「紗来ちゃんは変わらないね」と言われる。

でもそれはずっと仲良いからで…と思っていたら、

１２年ぶりに会った子にさえ、変わってないと言われた。

ショックのような、うれしいような…

いやーほんとに自分的には、相当マシになったっていうか、成長してきたつもりなんですけど…

ちょっと複雑ですけど、いやではない。

永遠の少女ではありたい。

 

ああ、でもやっぱりどちらかと言ったら、「成長して大人になったね！」って言われたかったなあーー

色気ないなーー