最近あらためて思うのだけど、
どうも私の歌は、悲しい歌が多いと思う。
悲しい歌というか、悲しみを含んだ歌と言った方がいいのかな。
「紗来景」を聴いていても、大半の歌で
何かしらの悲しみみたいなものを感じている気がする。
やっぱり、思う。
この世には悲しいことがたくさんあると。
どんなものごとも、二面性みたいなところがあって
悲しみと喜びは、表裏一体。
愛情と憎しみは、表裏一体。
ものすごく苦しくて、思い悩んで、辛い日々を送っていたとしたら、
それはいつかその苦しみを抜け出したとき、
言葉にできないほどの感動を味わえるということ。
とてもとても愛おしく、温かく、大切なものの存在を日々感じているとしたら、
もしも、いつかそれを感じられなくなったときの、
どうしようもない痛みと悲しみを、抱えなければいけないかもしれない、ということ。
必ず、物事には正反対の意味がある、そんな気がする。
それを受け止められるようになりたいと思う。
私の大好きな言葉で、映画監督の河瀬直美さんが言っていた言葉。
「真の愛情とは、この世のすべての悪を知った上で、
それでも相手を信じるということ」(うろ覚えです、すみません)
愛を知っている人は、憎しみを知っている。
最高の喜びを感じられる人は、深い深い悲しみを知っている。
何かしら、高かったり、大きかったり、深かったり、極限のものを求めるのなら
その正反対に位置するものを
よく、よく知っておく必要がある
そんな気がする。
そういうものを知って、それに対して何ができるわけではないのだけど
でも、
「そうだね、そういうものも、あるね」
って、ちゃんとうなずけるようになりたい。
深く深く、うなずけるようになりたい。
そうしたら、もっと優しく、強くなれる気がする。
そんなことを考えている、晩冬の夜であります。
自分アルバムの中では「ノック、ノック」の歌好き。
悲しい感じだけどいいと思う。
武間くん、ありがとう!
あの歌、字面だけ見たらとても悲しいよね。
それをかわいらしく、温かく歌ってみたかったんです。
悲しいのは嫌なことじゃなくて、それをわかった上で笑う人が、人の心を動かす気がする。