最近、猛烈に読書しています。
出逢う本がどれもいいものばかりで
もりもり読んでいます。この2週間で4〜5冊読みました。
最近の大ヒット
河野裕子・永田和宏 著
「たとへば君 ガサッと落葉すくふやうに私を攫つて行つてはくれぬか」
この一句があまりにも有名な歌人 河野裕子さん、
そしてその夫であり、同じく歌人の永田和宏さんによる
エッセイとともに綴られる相聞歌380首。
わたしは中学校の時、国語の便覧で先出の歌を知り
「なんて素敵な歌だろー!」と思い、ずっと覚えてました。
最近ラジオでふと話題にしたことで、
「そういえば、、、」と思いこの本に手を伸ばしてみました。
圧巻でした。圧倒というか。
なんだか、すごいものを見てしまったという感じもする。
「読んでて苦しくて、先を読むのがはばかられる」と思った本は初めてです。
*
短歌を通じて出会ったおふたりの始まりから、河野さんの晩年まで。
このお二人は、まさにお互いが「伴侶」なんでしょう。
お互いのことを読んだ歌がこんなにも多い。
しかし、短歌ってどうしてこんなにも胸を打つんだろう。
こんな少ない文字数で、どうしてこんなにも伝わってくるものがあるのか!
特にこのおふたりの歌は
「心がむきだし」という感じで、、、なんという感受性でしょうか。。。
特に、河野さんが発病されてからは、もう、その苦しみや葛藤、悲しみに
己の事のように、どっぷり漬かってしまいそうになる。
前述のとおり、読むのが苦しくて、途中で読むのをやめたくらいだった。
(けど、結局すぐに読みました)
最後の章は、
もはや言葉では語りたくないほど…
電車の中で読んでいたのに、思わず涙がこぼれました。
この本はノンフィクションですが、
これほど心をゆさぶる「終わり」を読んだことはない、と思うくらい。
圧倒的な、本当にリアルな、心に刺さるラストでした。
思わず頭を垂れたい気持ちになった…
読む前まで、実はこのふたりのお顔さえ、よくわかっていなかったけど
私の中ではありありと、このおふたりの像が描けました。
*
すばらしいというとあまりに陳腐で野暮のような気がするので
この本をどう形容すればいいかわかんないです。
たぶんずっとできないと思います…
とにかく、すごい本に、すごい歌人のかたに出会えたなという気持ちです。