読書

読了「たとへば君―四十年の恋歌」

最近、猛烈に読書しています。

出逢う本がどれもいいものばかりで

もりもり読んでいます。この2週間で4〜5冊読みました。

 

最近の大ヒット

「たとへば君 〜四十年の恋歌〜」

河野裕子・永田和宏 著

スクリーンショット 2015-11-08 18.27.54

 

「たとへば君 ガサッと落葉すくふやうに私を攫つて行つてはくれぬか」

 

この一句があまりにも有名な歌人 河野裕子さん、

そしてその夫であり、同じく歌人の永田和宏さんによる

エッセイとともに綴られる相聞歌380首。

 

わたしは中学校の時、国語の便覧で先出の歌を知り

「なんて素敵な歌だろー!」と思い、ずっと覚えてました。

最近ラジオでふと話題にしたことで、

「そういえば、、、」と思いこの本に手を伸ばしてみました。

 

圧巻でした。圧倒というか。

なんだか、すごいものを見てしまったという感じもする。

「読んでて苦しくて、先を読むのがはばかられる」と思った本は初めてです。

 

 

短歌を通じて出会ったおふたりの始まりから、河野さんの晩年まで。

このお二人は、まさにお互いが「伴侶」なんでしょう。

お互いのことを読んだ歌がこんなにも多い。

 

しかし、短歌ってどうしてこんなにも胸を打つんだろう。

こんな少ない文字数で、どうしてこんなにも伝わってくるものがあるのか!

 

 

特にこのおふたりの歌は

「心がむきだし」という感じで、、、なんという感受性でしょうか。。。

特に、河野さんが発病されてからは、もう、その苦しみや葛藤、悲しみに

己の事のように、どっぷり漬かってしまいそうになる。

前述のとおり、読むのが苦しくて、途中で読むのをやめたくらいだった。

(けど、結局すぐに読みました)

 

 

最後の章は、

もはや言葉では語りたくないほど…

 

電車の中で読んでいたのに、思わず涙がこぼれました。

この本はノンフィクションですが、

これほど心をゆさぶる「終わり」を読んだことはない、と思うくらい。

圧倒的な、本当にリアルな、心に刺さるラストでした。

思わず頭を垂れたい気持ちになった…

読む前まで、実はこのふたりのお顔さえ、よくわかっていなかったけど

私の中ではありありと、このおふたりの像が描けました。

 

 

すばらしいというとあまりに陳腐で野暮のような気がするので

この本をどう形容すればいいかわかんないです。

たぶんずっとできないと思います…

 

とにかく、すごい本に、すごい歌人のかたに出会えたなという気持ちです。

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