昨日もナパサ☆タイムスsunset
お聴きいただきありがとうございました!
昨日の特集は「平塚八景」!
平塚市の景勝地八選の中のひとつ
「松岩寺と霧降りの滝」をご紹介しました。
本当に美しい場所でした…
今でも心に残っています。
たくさんお話ししていただいた、
松岩寺の住職 武井さん、本当にありがとうございました!!
武井さんは本当に歴史にお詳しい方で
しかもお話がとてもおもしろくて!!
ついつい1時間も(!)聴き入ってしまいました。
本当に歴史の深いお寺なんです。
歴史、時の流れを知れば知るほど、
今ここにある松岩寺の存在が、本当に尊いものなんだ感じました。
人の流れ、歴史の流れとともに生きて来たのですね。
今回は、そこでの私の旅路を、小さな詩にして
自作のBGMとともに、番組内で朗読しました。
ここでは、写真とあわせて、その詩を掲載します!
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「平塚八景 松岩寺と霧降りの滝」
西暦1502年。時は戦国時代のはじまり。
この吉沢の地の地頭、布施三河守康貞(ふせみかわのかみやすさだ)は、松岩寺を建立した。
戦で失われていく、たくさんの命をとむらうために。
松岩寺は、見晴らしの良い高台にある。
バス停を降りて少し歩くと、お寺への長い階段が見える。
森に囲まれた、緑の階段。
のぼり始めると、いきなり世界が変わった。
たくさんの鳥の声、
木の葉が、さわさわとざわめく音、
日常の世界が、遠くなっていく。
階段を上りきると、松岩寺はそこにあった。
門をくぐると、広々とした庭が広がっている。
山の上に、こんなに開けた場所があったのだ。
心地よい風が、庭を吹き抜けていく。
松岩寺の裏の山道をさらにのぼると、
布施三河の守の墓地にたどり着く。
そこからの眺めは、まさに絶景。
湘南の地、そして相模の海、遠く遠く、どこまでも見渡せる。
山道をさらに進んでいく。
なだらかな道の向こうで、梅の花が、白い霞のように咲いている。
おだやかな風が吹いた。
ひだまりのにおいがする。
森の中へと入り、一本道をさらに進んでいくと
だんだんと、水の流れる音が聴こえてくる。
小さな沢に出会い、渓流へ降りていくと、
巨大な、真っ黒岩を、伝うように流れる滝がある。
これが、霧降りの滝。
その名のごとく、霧のようなしぶきをあげながら
静かに、しかし力強く、渓流へと流れをそそぐ。
透き通った水。
流れ落ちる音。
黒光りする大きな岩は、こんなにも雄々しく荘厳なのに
水の音は静かだ。
ここがなつかしいのはなぜだろう。
遠く昔、同じような場所に来たことがあるのか。
ここの水と、風と、光が
その場所を思い出させるからなのか。
遠い歴史がつむいできた場所。
遠い昔から、流れ続ける水。
松岩寺と、霧降の滝。
ここには、はるかな時間の流れを経て
今もあり続ける、水と風と、光がある。